カジノビリオンズ

カジノにおけるリスクコントロール

ラスベガスに次いで、アメリカ第2のカジノ都市として知られる、東海岸ニュージャージー州のアトランティックシティ。この町には、伝説的なクラップスの名手として知られるキャプテンオブクラップスというプレイヤーがいました。
彼は自身の豊富な経験から、ギャンブル全般、とりわけカジノでのギャンブルにおいて有効となるいくつもの哲学と理論を得ていました。その中の最も重要なアイディアの1つに、カジノでの勝負は常に「管理されたリスク」でなければならない、というものがあります。

「あまりに少額の勝負にはスリルがない。スリルの感じられない額での勝負を続けても退屈なだけであり、時間の無駄である」と、彼は言いました。
「数百から数千ドルのバンクロールで勝負をしに来ている人が、ペニー単位の賭けをしていては、ルーレットだろうとブラックジャックだろうと、どんなゲームをやったって面白いわけがない。かといって、息の止まりそうなスリルを求めて、例えば持ち金の半分を一回の勝負に費やすような、度が過ぎた勝負をするのも間違いである。カジノゲームとは、あくまでハウスエッジが課せられたプレイヤーにとって分の悪い勝負であり、そんな大勝負をかけるのは狂気にとりつかれてでもいなければ馬鹿な考えである」とも。

つまりギャンブルとは、興奮や期待によりプレイへの動機が得られる額で行われるべきで、同時にそれを失ったときの失望や不満が大きすぎてもいけない、という考え方です。

実は、すでに誰に言われるでもなく、多くのプレイヤーは、無意識にこのような方針でギャンブルを行っています。しかしそんな人達も、このカジノや他のギャンブルで遊ぶときに非常に重要な考え方を改めて認識しておくことは、大きな意味があります。

またその一方で、リスクコントロールがうまくできずに、適切ではない感情のジェットコースターに支配されている人も少なからずいるようです。そのような人達にとっては、彼の哲学を知ることはより重要となるでしょう。

カジノのプレイの後に

カジノでギャンブルを行った帰り道、車、あるいはタクシー、電車、はたまた飛行機かもしれませんが、その座席の上で、プレイヤーはどのような表情を浮かべているでしょうか。
勝ったときには問題が表面化することはないので、注目するべきは負けたときの様子です。

少し負けてはしまったが、カジノでは充実した時間を過ごせた。そして、胃のあたりが苦しみにかき回されることもなく帰路に付けているのなら大丈夫です。

他方、自分の持ち金に対してとても小さい負けでの終了となった方。損失はほとんどありませんが、時間を無駄にしてしまったなと感じるようであれば、もう少しスリルが必要かもしれません。一回当たりのベットをいくらか増やせば、カジノゲームはきっとプレイ中の感情により大きく影響を与えてくれるはずです。

絶望的な表情を浮かべて、どうしてカジノなんかに行ったんだ、と嘆いたことのある方は一番気を付けなくてはなりません。リスクを管理できていない状態です。
翌朝、ベッドで目を覚ました後、頭を掻きむしりながら後悔の念に苛まれるかもしれません。この状態が続くようであれば、昨晩お金を失ったカジノ以外にも、人生における色々なシーンで、自制ができずに何かを失ってしまっています。

リスクを管理する方法

投機家が破滅していく話は、ネットで検索すれば枚挙に暇がありませんが、彼らだってリスクの想定をしていなかったわけでありません。ただその見積りが甘く、現実よりも自分がリスクに耐えられると、誤った過大評価をしているのです。同じ話はカジノのプレイヤーにも当てはまります。
もし、頭に次の勝負に賭ける額が浮かんだなら、常にその額を半分にすることを心がけましょう。
なにより、カジノに遊びにいくときには最初から全部失ってしまっても大丈夫な金額だけしか持たないようにするのが最善の策となります。

システマティックなベッティングメソッドに頼るというのも手です。賭け金の決定をこれらのシステムに任せることで、判断に迷いが生じなくなり、無茶な勝負を避けることができます。
このときには、損失が急速に膨らむことのないパーレー法やモンテカルロ法がおすすめです。一方、マーチンゲール法などのネガティブプログレッションは、損切りを厳格に徹底しない限り、連敗続きによる途方もない額のベット要求が、すぐに現実として起こることになりますので、あまりお勧めできません。

プレイ中は自分の体のサインにも気を配りましょう。
シャツの脇や背中が汗で濡れていることに気付いたら危険なサインです。空調の利いた空間の中で汗をかいているなら、それはもう平常の状態を失っています。
そんなときはどんな勝負の途中でも、プレイを中止して、休憩を挟んでください。
ゲームテーブルから離れ、コーヒーを一杯飲みながら、今日カジノで賭けてきたものと、それが自分にとってどれだけ大事なものであったかをゆっくりと整理してみてください。

落ち着けば、その日は負けてしまっていても、冷静にマイナスのまま切り上げる判断も下し易くなるでしょう。取り返そうという試みは、うまくいくこともありますが、それ以上に泥沼にはまっていくことが多いです。

もちろんこれはオンラインカジノでも同じことです。
むしろオンラインカジノでのプレイは、ランドカジノ以上にゲームの間隔が短くなりがちなため、特に注意が必要でさえあります。

カジノで何をどれだけ賭けるのか、本当に決められるのは自分だけです。
ギャンブルには落とし穴がいくつもあります。底の見えない穴に落ちないようにできるのも自分だけです。

あくまでカジノ”ゲーム”である、ということを念頭において、常に楽しく遊びたいものですね。