カジノビリオンズ

変わっていくオンラインカジノ: 環境とゲーム

今年で2020年を迎え、前世紀末にオンラインカジノが誕生してから20年以上が経過しました。近年、オンラインギャンブル業界では当初の勢いは落ち込み、業界全体の成長速度も鈍化していましたが、最近になって再び復調傾向を迎えています。
では、いったい何がこの要因となっているのでしょうか? カジノとビデオゲーム(ここではいわゆるコンピュータゲームのことを、カジノのゲームと区別するためにビデオゲームと呼びます)をキーワードにして、今起こっているカジノの変化についてお届けします。

ミレニアル世代の到来

さて、すぐ上で述べた昨今のオンラインギャンブルの盛り上がり。この盛り上がりはどこから来ているのかということですが、それはコンピュータやインターネットといった、デジタルインフラに慣れ親しんだミレニアル世代がどんどん成人を迎えているためだと考えられています。彼らは小さい頃からインターネットと接しているため、危険であったり有害であったりするようなコンテンツを判断する能力に長けていて、上の世代が本質的に抱えている、実害のないものへの恐れやウェブ上での金銭決済への不安・不信感などもありません。現代の若者達にとっては、ギャンブルのプラットフォームであるということに抵抗感を感じる人はいても、オンラインであるという点はもはや障害とはならないのです。これを裏付ける事実として、カジノのプレイヤー年代別で統計を取ったときには、下の世代ほどランドカジノではなくオンラインカジノで遊ぶのを好む、という傾向も報告されています。このような理由から、潜在的なオンラインカジノのプレイヤー数は増加し続けており、それが最近のオンラインカジノの活況に現れているのです。

オンラインカジノの努力

もちろん、オンラインカジノもただ黙って追い風を受けているわけではありませんでした。いくら若者達がオンラインのプラットフォームに抵抗感がなくても、ギャンブルとは負ければ金銭を失う勝負です。納得して彼らに遊んでもらうために、いくつもの努力を重ねてきました。

健全なプレイ環境の整備

2000年前後の初期のオンラインカジノ業界は、ともすれば無法地帯ともいえるようなものでした。クリーンな運営を続けているカジノがある一方で、プレイヤーから金を騙し取るような信じられないようなカジノも存在していたのです。
そんな状態から、プレイヤーからの信頼を得て、より安全に遊んでもらえる環境を作るべく、多くのカジノが協力して立ち上がりました。賭博法の整備、ライセンス団体・監査団体の設立、プレイヤーのセキュリティ・匿名性の強化など、着実に環境は改善されていき、今ではプレイヤーは安心して遊ぶことができるようになっています。

モバイルデバイスへの対応

現在世界的に、若者の所持するデジタル機器の主役は、PCからスマホ・タブレットといったモバイルデバイスへと移り変わっています。オンラインカジノの多くは、この流れが今ほどはっきりと出来上がる前から、モバイルデバイスでのプレイ対応を進めてきました。特にベラジョンカジノはその先駆けといえますが、その時勢を読む鋭さは驚くばかりです。なお、3、4年ほど前からオンラインカジノでは、モバイルデバイスによるアクセス数がPCからのアクセス数を追い抜いているそうです。

ゲーム性の高さの提供

ミレニアル世代の多くは、小さい頃からビデオゲームを経験しています。自ら操作するゲームに慣れている彼らは、伝統的なスロットゲームやテーブルゲームをプレイしても退屈だと感じてしまうことが多いようで、最近のカジノゲームのメーカーは、高いゲーム性を備えたビデオゲームに近い遊びを提供することが求められています。
例えば最新のビデオスロットには、ゲーム内に消費アイテムが設定されていて、任意のタイミングでそれを使用することでゲームの展開が変わる、そんな台も少なくありません。これからさらに、その傾向は強まっていく向きがあり、ビデオゲームライクのカジノゲームはますますその数を増やしていくと予想されています。

これからのゲームの変化: ビデオゲームとの融合

若い世代により広く受け入れてもらうために、カジノゲームは一層ビデオゲームに接近していくでしょう。一体どのような可能性が考えられるのでしょうか。

スキルベースド・カジノゲーム

今後はMOBAやFPS、格闘ゲームといったビデオゲームの人気ジャンルに似せた、スキルベースのカジノゲームが登場するのではないかという予想があります。これはつまり、ゲーム内でうまくプレイすれば勝利してお金を得る、下手なプレイをしてしまえば敗北してお金を失う、そのような仕組みのゲームです。イメージとしては、ゲームセンターで遊ぶことのできる、一部のメダルゲームが近いかもしれません。

ビデオゲームからギャンブルへ

また、ビデオゲームがオンラインギャンブルの窓口になるパターンもあり得ます。例えば、ゲーム「グランド・セフト・オート」には、ゲーム内のカジノで遊ぶための拡張機能が追加されていますが、このときに遊ぶカジノが本当のオンラインカジノに置き換わるようなケースです。若いゲームプレイヤーが慣れ親しんだ環境で、カジノプロバイダとビデオゲームメーカーが相互に利益を産み出す、そんな新しいプラットフォームが作られる可能性も0ではありません。

実際はどうなる?

新しい枠組みを作ろうとしても、現実にはそもそも法律の認可を受けるハードルがあり、カジノが進もうとしている変化の方向は、個人的にはなかなか受け入れられ難いのではないかと予想します。しかし、うまく実現させることができるのか、今後の数年でカジノとゲーム業界がどう変わっていくのか、それは神のみぞ知るところでしょう。ぜひ読者のみなさんにも思い思いの予想をしてみてほしいのですが、この記事がそのきっかけになれれば幸いです。