|中国で誕生した麻雀が日本で最初に花を開いたのは、明治後期から大正・昭和にかけてでした。当時、麻雀にハマったのは日本を代表するような文豪たちでした。
例えば、小説家であり文藝春秋社の創業者でもあった菊池寛は、あまりにも麻雀が好き過ぎたために「日本麻雀連盟」を立ち上げ、その初代総裁に就いています。ほかにも夏目漱石が紀行文で麻雀について触れている文章も残っています。
その後、戦時中に向けて麻雀ブームは衰退していきますが、戦後にわかに脚光を浴びます。というのも、この時期にアメリカ式のルールが入ってきて現在の麻雀の元となる「リーチ麻雀」の形が完成したからです。ここで腕を振るったのは表街道の人たちばかりではなく、裏街道をいく人たちでもありました。彼らは「売人(ばいにん)」と呼ばれ、その腕を競いあっていきます。
|麻雀が再び世界の表舞台で大ブームを起こすのは、昭和44年(1969)年『麻雀放浪記』が発表されたのがきっかけだと言われています。作品のなかで作者の阿佐田哲也は売人たちの凄まじい勝負の様子を描き、読者の圧倒的な人気を得ました。のちに『哲也』という漫画にもなったので、若い人でも知ってる人は多いかもしれません。
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